SoundHorizon考察 Chronicle 2nd
今回は前々回にあげた聖戦と死神シリーズの考察をします
いつもどおり赤文字は個人的な意見なのでスルーでどうぞ
とりあえず人物から参ろうかと…
Alvarez(アルヴァレス)将軍
彼は様々な名前で呼ばれていました
「アーベルジュの戦い」ではArbelge(アーベルジュ)
「約束の丘」ではCharlotteがAlbers(アルベール)と呼んでいます
「聖戦と死神 第1部」ではFlandre王国のモブが〈Belga人の将軍〉〈Belgaの亡霊〉(アルベルジュ)
「第2部」ではGefenbauerが〈Belgaの死神〉(アルベルジュ)と呼び、
「第3部」では自称ですが〈異邦人〉(アルベルジュ)、
女王が〈Belgaの暴れん坊〉(アーベルジュ)という名を提案します
「第4部」で実名と思われるAlbers Alvarez(アルベール アルヴァレス)、
Lunaが彼の墓碑銘に捧げた〈Belgaの同胞〉(アーベルジュ)
…とまぁ3種類の読み方あります
「第4部」から彼の実名はAlbers Alvarezつまり”アルベール”という読み方が実名だと思われます
Charlotteは恋人ですから彼を実名で呼ぶのは納得できます
ちなみに「アルベール」と読むのはフランス語風です
次にヨーロッパの人名は国(地域)で変化します
例えば同じGilbertという名前のスペルでも
英=ギルバート、仏=ジルベール、独=ギルベルト…のような感じです
何が言いたいかといいますと
- 仏は最後の「t」の発音がない、「g」は「ジャ行」の発音する
- 独は「bert」をローマ字読みする(日本人にはわかりやすいですね)
- 例のチョイスが下手くそですが独も仏のように「ge」を「ジャ、ジュ、ジェ、ジョ」と発音したりします
”アーベルジュ”はRoseが名付けたのだから→英語名
”アルベルジュ”は(スペルは不明)「Albe」を「アルベ」、最後の「ge」をジュと発音してる→ドイツ語風
「アーベルジュの戦い」が英語名で表記してあるのは何故か?
この曲は(誰かの)独白です
該当する登場人物がいないのなら独白するのは〈黒の予言書〉しかありませんね
「黒の予言書」のコーラスは英語なので矛盾はない…はず
この曲は(誰かの)独白です
該当する登場人物がいないのなら独白するのは〈黒の予言書〉しかありませんね
「黒の予言書」のコーラスは英語なので矛盾はない…はず
彼の故郷、Welkenraedtはベルギーにあり、ベルギーの南側はフランス語が公用語になっています
(ちなみに北側はオランダ語です)
彼の名前がフランス語風なのはその土地柄なのかも…
ではなぜ渾名がドイツ語風なのか?
それは神聖Flandre帝国で挙げようと思います
Rose Guine Avalon(ローザ ギネ アヴァロン)女王とBritanniaの方々
Britanniaという名前と前回の地図のポイントからBritannia王国=現在のイギリスだとわかります
「Rose」は英語で「薔薇」ですがおそらくあの女王の親戚だということの暗喩だと思われます
あの女王=詩人Balladを処刑した女王です
歌詞でも暴君として知られた女王の姪でありとあります
暴君…といえば暴君ですね、遠回しに貶したら即処刑ですもん(笑)
「辿りつく詩」でまだ幼い声をしていたLunaが「薔薇の騎士団」では大人の女性の声になっています
10年ぐらいの年月が経っているとすればRoseの先代は(伯)母や(伯)父あたりの世代でしょうか?
Avalon朝というのは実際にはありません
Avalonというのは「アーサー王物語」の舞台でアーサー王が最後に向かった幻の島です
Guineという(ミドル?)ネームはおそらくアーサー王の妃Guinevere(ギネヴィア)をモデルにしたのかと…
そして騎士団のPersifalとTristram(前々回では触れられませんでした…)
この二人の名前も「アーサー王物語」に登場する円卓の騎士のメンバーです
Britannia王国の面々は「アーサー王物語」をモデルにした人名が多いようです
しかし一人「アーサー王物語」にいない人物がいますね
そうLunaです
「辿りつく詩」でも書きましたがLunaはローマ神話の登場人物
イギリスではないわけです
…ということはLunaは元々Britannia王国の人間ではないのかもしれません
「詩人バラッドの悲劇」では歌詞に
最期の瞬間 思い出すのは…
故郷の空 風の匂い
Britannia王国で処刑されたBalladが故郷を思い出すということは
二人の故郷は別の国なのかもしれません
実はそのヒントが最新の「Nein」のアルバムに収録されています
もしかしたらXXXXXかも?
聖Childebert(キルデベルト)6世と神聖Flandre帝国
Alvarez将軍のところでも書きましたが、Childebert(キルデベルト)はドイツ語風の名前ですね!!
そして神聖Flandre帝国ですが、そんな国は実在しません
しかし似た名前の国はありました
「神聖ローマ帝国」です
現在のドイツの基盤となった国で962~1806年に現在のドイツやオーストリア、チェコを中心にあった大国です
さてここで相違が…
前回の地図で示したとおり、神聖Flandre帝国は現在のフランスにあると想定できます
しかし実際の神聖ローマ帝国はフランスまで領土を広げていません
仮に〈黒の予言書〉どおり帝国がフランスにあるならフランス語かと思いきや…ドイツ語なんじゃ?
国王がドイツ語風の名前なんですから
このズレが我らの肯定してきた歴史とは何なのだろうか?という歌詞に至るわけですかね
こんなとこに神聖ローマ帝国ねぇよ!!
なのになんで国王はしっかりドイツ人名なんだよ!!……ってな感じで(笑)
神聖Flandre帝国がドイツ語を使っているとするのなら
フランス語風の名前をドイツ語風に呼ぶんじゃないかな…と思うわけですよ
”アルベール”を”アルベルジュ”って読むことだって有り得るわけです
”アルベルジュ”と呼ぶのは神聖Flandre帝国(旧Flandre王国)の人たちは勿論
Offenburg(現ドイツ)出身のGefenbauerです
Alvarez将軍が自分のことを”アルベルジュ”と呼んだのは
祖国を滅ぼした敵国のために戦う自分を皮肉って呼んだのではと思っています
最後にGefenbauerですがPreuzehn領Offenburgで捕虜になった男です
Offenburgは現在のドイツにあります
Preuzehnというのはプロイセンのことでしょう
プロイセンは神聖ローマ帝国の解体後に急成長しドイツを統一する国ですが
Offenburgあたりにまで領土を広げるのは1800年代に入ってからです
〈黒の予言書〉の相違によりモデルになっている時代が特定が難しいですね…
Preuzehn領の場所が私たちの知る歴史どおりなら19世紀ごろになります
…あれ
ほとんど自分の意見になっちゃいました
全部赤文字になるんじゃ(-_-;)?
人名の考察だけでこんな量になっちゃいました
次回こそは内容に入れたらいいなぁ
でも結構踏み込んだことまで書いてしまったような気がします
年代順に書けば分かりやすいですかね?
ここまでご覧下さりありがとうございます
コメント
コメントを投稿